「新潟県中越地震」に伴う文化財の被害状況について(1)
平成16年10月23日に発生した新潟県中越地震による文化財の被害について,新聞等の記事を紹介します。著作権保護のため全文掲載は控えました。元記事はそれぞれの情報源にあたっていただきたくお願いいたします。
- 国宝「笹山遺跡出土深鉢形土器」(新潟県十日町市博物館内展示)57点のうち、転倒して53点が破損(asahi.com 10月25日)。
- 十日町市博物館が所有する県内唯一の国宝縄文土器や長岡市立科学博物館の国指定重要文化財の縄文土器など、多数の文化財が破損。十日町市博物館ではほかに、国の重要有形民俗文化財で越後縮の染色用具「アイガメ」が数個壊れた(新潟日報ウェブサイト 10月25日)。
- 国指定重要文化財の長谷川邸は表門の扉が外れ、蔵の壁が崩れ落ちた。宝徳稲荷神社の灯ろうは倒れたまま。朝日酒造では空瓶や商品が倒れた(新潟日報ウェブサイト 10月26日)。
- 重文の魚沼神社阿弥陀堂 複数の支柱に被害(毎日新聞ウェブサイト 10月30日)
- 縄文時代中期の土器を代表する「火焔土器」などを収蔵している長岡市立科学博物館で、国重要文化財の土器が新潟県中越地震のため破損する被害が出ていたことが判明。火炎土器はドイツでの展覧会に出品中で破壊を免れたが,粉々に壊れたものも(毎日新聞 11月1日夕刊)。
- 長岡市立科学博物館では復元土器が壊れるなど、展示物を中心に大きい被害を受けたほか、収蔵施設、研究室にも被害があり、展示施設の復旧、開館は当分難しい。
資料館では展示ケースが倒れ、寄託されている資料に大きな被害(長岡市ウェブサイト)。 - 国指定文化財16件のほか、県文化財も9件の被害が判明。市町村指定史跡も被害を受けた。しかし,文化財を担当する町教委の職員は支援物資の手配などで手いっぱい。国の文化財を修復する場合、災害被害では通常より補助率が上乗せされ、自治体のもので70%、個人などの所有なら85%まで公費でまかなわれる。 しかし、県や市町村の場合、上乗せは制度化されておらず、被災者の住宅再建補助などで県、市町村の財政は悪化が予想され、厳しい環境にあるという。(朝日新聞 11月8日)
- 集落の最深部にある大山十二社も石製の鳥居が壊れ、階段には縦に大きく亀裂が入るなどの被害が出た。(十日町市新聞ウェブサイト 11月10日)