「平成16年7月新潟・福島豪雨」に伴う文化財の被害状況について
平成16年7月12日から13日にかけて新潟県及び福島県で発生した豪雨(平成16年7月新潟・福島豪雨と命名)により、当該地域の文化財も被害を受けました。
新潟県三条市、中之島町に入った松井敏也会員からの報告を掲載いたします。
7月24日(土)に新潟県三条市と中之島町に行ってきました。
三条市は落ち着いており比較的日常の業務に戻っていました。文書などはすべて図書館に所蔵されており、今回の決壊場所の反対岸にあったため被害はありません、とのことです。
埋蔵文化財(土器、石器、木製品)と書類、写真関係が被害にあったそうですが、土器石器は洗浄で対応済みでした。
- 保存処理済みの木製品が一部冠水。それらを自然乾燥時にカビが発生。アルコールで表面洗浄とカビの除去。県を通して冷凍庫を借りる手筈をするとのこと。一部は再処理のため水漬けにて保管。
- 書類や写真ネガなどは半乾きの状態。洗浄後、水漬けのまま後日写真専門店へ。
- 本成寺山門が冠水したとの情報で見に行ったところ、70cmほど浸水した様子。
木材の一部が流されていたが、仁王像などは大きな被害を受けていない。
木製品 | 書類等 |
本成寺山門 | 本成寺山門 |
中之島町は車両規制で入れず。隣の見附市に車を置き、徒歩で中之島町内へ
- 妙栄寺が決壊部にあり、消失。
- 役場も冠水したが、その後ボランティア受け入れに追われ、文化財などへの影響はまったくわからず。
- 水が一部ではまだ引いておらず、泥が堆積し、復旧作業がままならない状態。
- 文化財の被害状況が明らかになるには日数がかかりそうであった。
- 三条市よりも被害が甚大。
堤防決壊場所 | 妙栄寺 |
中ノ島町内 | 役場付近 |
【ニュース記事】 7/23新潟日報
- 県指定文化財本成寺山門が冠水
- 与坂城跡など四史跡で土砂崩壊
- 国指定文化財の村上城あと二史跡でも登山道の土砂崩れ
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